最終更新日 2024年12月27日
子供が最初に迎えるのが初正月ですが、日本の伝統的な行事に初正月を迎える男の子に破魔弓や破魔矢を、女の子に羽子板を贈る習慣があります。
これらの品物を赤ちゃんに贈るのは赤ちゃんのお守りとする意味があります。
日本では縄文時代に既に矢が存在していたとされ、矢は人々の食物を得るためには欠かすことができない重要なものでした。
またお隣の中国では昔の端午の節句には鍾馗という名の強い武神が矢で悪霊を退治するという伝説がありました。
その中国の風習が日本にも伝わり、西暦670年の天智天皇の時代には、正月に弓で的を射る儀式が行われていたようです。
一種の魔除け
正月にこのような儀式を行うのは一種の魔除けで、魔除けをすることによりその年の健康や豊作を祈願したのです。
宮中ではその後も弓矢は神聖なものとして扱われ、宮中や神社の儀礼用具として重要な意味を持つものとして大切に扱われてきました。
弓矢が魔除けに使われるばかりでなく、弓矢を用いた年占い神事も古代には行われました。
矢は遠方に向かって放ち、標的を射止めることから人間には予測不可能な道具としての考えが占い行事に結びついたものだと考えられます。
矢が行事的な色彩を帯びたものから戦いの道具に使用されるようになったのは鎌倉時代、戦国時代、江戸時代の頃でした。
当時の武士には戦いに行く前に神社へ参拝し、自分の武具を奉納する習わしがありましたが、この時矢を奉納することもあったようです。
時代の変遷とと共に弓矢の役割やそれに対しての考え方も変わってきました。
現代の破魔の弓は破魔の矢が4本が一セットであることが多いのは天地四方の考えに由来しているとされます。
それは平安時代から続いている儀式に「鳴弦の儀」がありこの儀式は矢を使わないで弓の弦を弾き、その音を四方へ発することで、天地四方の邪気をはらう神事で、弓を弾く時の音は鬼が嫌う音とされていて、古代の宮中では出産や産湯を使うときにはこの行事を行いました。
この儀式は今日の皇室でも子供が生まれて七日目には鳴弦の儀をします。
男の子が生まれた初正月に破魔弓を贈る由来
このように昔から破魔弓や破魔矢は邪気や魔物から守る力があると信じられてきて、需要な意味を持つものであり、戦国時代の武士はこれらの道具を正月に飾る習慣もありました。
現代でも新年時に神社へ参拝に行った時に開運や厄除けを祈願して破魔矢を購入して家の神棚に飾ることもあり、この際に破魔弓も一緒に神棚に飾る家庭もあります。
男の子が生まれた初正月に破魔弓を贈るのは、戦国時代の武士が神社に矢を奉納した時に神社から模擬の矢を戦場のお守りとしていたことから、武家に男子が生まれた時は弓や矢をあげる習わしになり、江戸時代後期になるとその風習は武家だけではなく、庶民の間にも広がりました。
古来から神聖な儀式で重宝されてきた弓矢がその後に戦場で活躍する武士の武器であり、邪気払いの道具として用いられてきたのです。
以前は神社に初詣に行くとただ破魔矢があると何となく眺めているだけの自分でしたが、由来の意味を知った時はなるほどと思いました。
親戚の姪が先日出産し、男の子が生まれました。
来年の正月は彼女の子供は初正月を迎えます。
破魔弓の種類と目的
男の子なので破魔弓を贈るのが適切だと思い、今ネットで調べているところですが、その商品もいろいろな種類があり、どれも素敵なのでどれを選ぶか迷っているところです。
時代は変われど無事に生まれたきてくれた子供が今後も健康で育ってほしいというのは皆の願いです。
医療が発達していない昔であればいろいろな病気で亡くなる新生児も少なくなかったはずです。
昔の人は疫病や怪我で新生児が死亡するとは考えずに、魔物が子供を食べてしまうと考えたことから魔除けの信仰が生まれたのでしょう。
実際魔除けの考え方は中国から日本に伝わり、宮中ではそのための行事を重視していたことがわかり、鳴弦の儀は現在でも皇室においては催されるセレモニーです。
昔から伝わっている素晴らしい日本の伝統や風習を今後も後世に伝え残していくことが私たちの役目です。
普段何気なく目にしているものでも重要な意味があることを今さら感じさせられると同時に、昔の人は偉いと思わず感心してしまいます。
まとめ
羽子板や破魔弓は12月中旬以降に飾りつけて、年末年始にこれらの飾りを見ながら新年を祝うのは至極の時を過ごせるにちがいありません。
またこれらの飾りをしまうのは小正月の1月15日ごろだそうです。
12月中旬に飾るのであれば12月上旬には姪にプレゼントする必要があります。
どんなのが良いか今、いろいろ検討しているところですが、ネットサイトばかり見ていても仕方がないから、実際に店に行って店員に話を聞いてみるのも得策かもしれません。
善は急げの諺どおり、今週末に店を何軒か回ってみることに決め、良い商品に出会えることを祈っています。
素敵なプレゼントに姪が喜んでくれる顔を見るのが今から楽しみで、今回は少し奮発して高い商品を買うつもりでいます。